【表現力】

スポーツにおいて多くの人がぶつかる壁は「頭でわかっていても中々身体で表現できないこと」

理想の動きは頭でわかっているけど中々その通りにできない。

その中で僕の指導法はモーションやフォームを出来る限り教えない。
修正箇所が10ある中で1つしかいわない。

そのかわり、身体感覚を引き出すトレーニングを積み重ね、頭で描いた通りの動きを身体が表現できる状態に近づけていくことを
大事にしている。

そんな中、先日教え子に週刊ベースボール50周年記年号を三原脩、水原茂といった戦争を生き抜いた名将の哲学、イチローの持つ哲学的感覚に触れてもらえればという思いからプレゼントした。

実はこの本には野茂英雄、村田兆治をはじめとしたユニークなフォームの選手たちの連続写真が掲載されている。

そして先日、「ドクターK、野茂英雄」といって突然教え子がトルネード投法をみせ、そのまま色んな選手のものまねをしてくれるのだがそのどれもがすごい再現力で、合理的だ。

「頭でわかっていても中々身体で表現できない」その最もたる野球で色んな選手のフォームを再現する力。

三年前、野球界において多種多様な指導者に対応できる選手の育て方は150キロを投げれる選手ではなく、こうやった表現力のある選手だと信じて指導方針を変えた。

そんな中で自信が確信に変わる瞬間。最初の練習では「クリニックドリル」「ツイスト」も出来なかった教え子が、連続写真を少しみるだけで再現できる表現力を身につけたことは僕にとっても感慨深い。

こんな風にスポーツを表現力で楽しめる環境を少しでも多く広げて行きたい。