脳神経システムについて

【「走り方を知らない」「身体の使い方を知らない」子ども達にトップアスリートの感性を】

人間には約600個の筋肉がありますが、深層筋といわれる筋肉群をはじめ多くの筋肉が眠っています。

そして、ここ10年でインナーマッスルの重要性が増していく現在においても未だに多くのトレーニングというのは、元々使っている筋肉をいかに強くしていくかに重点が置かれているものがほとんどです。

 

言い換えれば、多くの筋肉を使っている子どもは練習をすればするほど伸び、そうでない子どもは飲み込みが遅い、センスが無いといわれるシステムをつくりだすトレーニングです。

 

実の所、運動神経の差、上達スピードの差というものは筋肉の質や量といった遺伝以上にこの約600個に及ぶ筋肉をたくさん使えてるか使えてないかの方が非常に重要です。

 

いってみれば今まで「遺伝のせい」「運動センスがない」とされていたものはそのほとんどが「トレーニング」「指導者」のせいだった可能性の方が非常に高いといえます。

 

それは上手い子がうまくなるトレーニング、上手い子のための指導者、練習方法ばかりが多かったからです。また、身体にはクセというものがつきやすいのですが現代社会において多くの子ども達の身体に悪いクセが染み付いてしまいがちなだけでなく、本来は自然と身につくとされていた「走り方」や「身体の使い方」といったものを知らない子どもが増えてきています。

 

身体に悪いクセが染み付いてしまうと、身長等の体格面での成長の妨げになるばかりか、呼吸が浅くなり、心の状態も不安定になっていき、勉強の学習効果も薄れていきます。

 

親子スポーツ教室ではまず、「身体に染み付いてしまった悪いクセ」をリセットするためのトレーニングから入り、大腰筋をはじめとした深層筋を活性化させるトレーニング、より多くの筋肉を使える身体にしていくことで遺伝に左右されずにセンスを磨くことができるトレーニングワークをしていきます。

 

そうしていくことで多くの子ども達に身体を動かす楽しさ、上達していく、成長していく楽しさを実感していただけたらと思います。

 

この時、特に意識しているのが脳神経システムと運動神経の関連性です。

ここまでずっとお話してきたように、間違って形づくられた運動神経やストレス負荷のある状態のまま正しいフォームとされるものを繰り返す反復練習・トレーニングといったものが日常生活やスポーツクラブ、部活動で、はびこっていたからこそ、できる子はドンドンできて、できない子はいっこうにできないという状態が多くのスポーツ現場でみられてきました。このことは体育の授業やスポーツ現場に限らず、日常の姿勢や御箸の持ち方等でもいえることです。

 

リセットするための時間やトレーニングを設けずに正しいフォームとされるものばかりを強要していても、脳神経システムと運動神経の関連上、それは非常に困難なことです。

 

リセットしない状態で正しいフォームとされるものを繰り返しおこなっていてもそれは脳にストレス反応をおこさせてしまい、苦痛の何者でもありません。

 

 

大事なことはクセを取り除き、今まで使われて来なかった筋肉や神経を活性化させる中で身体地図を広げていくことです。